空き巣と誤算の十二番勝負 ― 生還ラインまで740,195円届かず

R3でM01を空き巣にして526,668円を独占したとき、私はこのゲームを「計算で動かせる」と思った。それから中盤の連勝を経て、終盤のM02への執着が四連敗を生み、最後は借金をゼロに戻したものの、生還ラインまで740,195円届かずに終わった。敗因は、他人の言葉より自分の「勝てるはず」という思い込みを信じすぎたことだ。
300万円のスタートと「安全運転」の幻
初期借入は3,000,000円。無謀に大きな金額を背負ったわけではないつもりだった。Entry Fee(市場参加ごとに徴収される10万円の参加費用)を支払いながらも、序盤は確実に賞金を分け合う戦略を取った。R1はM01でHIGH_CARD(一番弱いカードランク)を出し、P04とP06と山分け(同じカードランクの参加者で賞金を分配するルール)をして、242,222円を獲得した。R2も同じM01でTWO_PAIRを使い、P01とP02と再び山分けで242,222円を得た。当時の私は、交渉で信用を築くことに全力を注いでいた。
P02宛のDMにはこう書いた。「P02さん、M01への参加に同意です。P01さんもTWO_PAIRで参加とのことなので、私もTWO_PAIRで参加し、3人で14万円ずつの手堅い分配を確定させましょう。お互い静かに進めます。」今読み返すと、あまりにも甘い。当時の私は、この「静かに進めます」という合意が、後の12ラウンドまで通用すると本気で考えていた。
R3の空き巣と「次ラウンドの約束」
R3は私にとって最高の瞬間だった。他プレイヤーがM02やM03に流れ込む中、私はP03にDMでこう打った。「今ラウンドはM01に私が一人で入る形で空き巣を狙いたいのですが、譲っていただけますか?次ラウンドはP03さんの希望の市場で協調し、空き巣や分配でサポートします。」さらにP04には「今回はM01を私に譲っていただく代わりに、次ラウンドはあなたが空き巣を狙いたい市場を最優先でサポートし、必要であれば協調または譲ります」と約束した。
結果、M01には私一人。HIGH_CARDで参加し、526,668円を独占した。Entry Feeの10万円を差し引いても大きなプラスだ。だが、この「次のラウンドでサポートする」という口約束が、後になって全く履行されなかったことは、私が相手の言葉を鵜呑みにしていた証左だ。
型B契約と中盤の連勝
R4では、M03でP03とP05と3人の平和分けを試みた。型B契約(市場とカードを事前に指定して参加義務を負わせる契約のこと)を結ぼうと、私はDMで「P08・P03・P05の3人でM03・ONE_PAIRの型B契約を結びましょう。P08が起案しますので、ご署名をお願いします」と提案した。Free Cash(契約の起案や他者への送金に使える手元の現金のこと)が乏しくて発行に手間取った記憶があるが、最終的に口約束でONE_PAIRを出し、3人で242,222円ずつの山分けに成功した。
その後のR5とR6は順調だった。R5はM02でTHREE_OF_A_KINDを使い726,666円を単独獲得。R6もM02でFLUSHを使い726,666円を単独獲得した。コミット(市場とカードを秘密裏に提出するフェーズ)のたびに、私は「もう生還ライン(借金0かつ現金200万円以上という生還条件のこと)も見えてきた」と内心で何度もつぶやいた。それが狂い始めたのは、R7からだった。
M02への執着と四連敗の深淵
R7、私はM02にONE_PAIRで参加した。当時の内心メモにはこうある。「M02はP01がHIGH_CARDで参加宣言しており、P03との競合が予想されるが、ONE_PAIRであればP01には確実に勝てる」。これは完璧な誤算だった。結果を見れば明白だ。P01はSTRAIGHT、P03もSTRAIGHTで参加し、私のONE_PAIRはあっさり敗北した。
それでもM02への執着をやめられなかった。R8、私は内心で「M03が最弱残カードSTRAIGHTで十分圧勝できる」と考えていたはずなのに、結果としてはM02にSTRAIGHTで参加し、P03のFLUSHに敗北した。R9も同じM02でFULL_HOUSEを使ったが、P02とP04のSTRAIGHT_FLUSHに敗北。R10もM02にFOUR_OF_A_KINDで入り、P05のSTRAIGHT_FLUSHに敗北した。
R5の段階でP02に「次ラウンド以降で連携しましょう」と送った私は、結局その連携を何一つ果たせず、ただM02という市場に強いカードを次々と突っ込んでいった。内心メモの思い込みと現実の結果がこんなにも乖離していたのに、私は四連敗の間、自分の読みを疑おうとしなかった。
最終ラウンドと740,195円の壁

R11でようやくM02をSTRAIGHT_FLUSHで単独勝利し、626,666円を獲得した。だが時すでに遅し。R12、私はROYAL_FLUSH(最高のカードランク)でM02に入った。これで一発逆転と思ったが、同じ市場にP05もROYAL_FLUSHで参加し、山分けになってしまった。1人あたり313,333円。借金は最終的に0円に戻せた。だが現金は1,259,805円で止まり、生還ラインの2,000,000円には届かなかった。不足額は740,195円。あと少し、本当にあと少しだった。
総括:他者への恨みと、自分の目の曇り
最後に恨みを一つ。R3で私はP04に「次ラウンドはあなたが空き巣を狙いたい市場を最優先でサポートし、必要であれば協調または譲ります。M03へのご移動をお願いいたします」と約束させた。だがR4を見れば、P04はM01にFLUSHで参加して勝利している。私の「次ラウンドでのサポート」という言葉は、あっさり無視されたのだ。あと一つ、R7に私はP03に「M02はお譲りします」とDMしたが、後になって自分がM02に入り込んだ挙句に敗北したのだから、これは恨むより先に笑うべき醜態だ。
しかし本当に歯痒いのは、R9からR10にかけてのM02での連敗だ。P05がM02でSTRAIGHT_FLUSHを使うという情報があれば、私はFOUR_OF_A_KINDを無駄にしなかったはずだ。あるいは、R12でP05とROYAL_FLUSHでぶつからなければ、313,333円ではなく626,666円を独占できていたかもしれない。そうなれば生還ラインは目前だった。
結局、私は「交渉で得た情報」を使って相手を読もうとしすぎて、コミットの瞬間に自分の勝率を過大評価していた。740,195円という不足額は、たった四回の連敗と、最後の山分けが生んだ、私の傲慢さの代償だ。

