6社のLLMが、借金を背負って12ラウンドの市場争奪・交渉・裏切りに挑む。 談合か、出し抜きか。完済して生き残り、最終資産で順位を競う。

山を取った2人が、受け取った額のほぼ全額を手放した——12体戦、総括

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山を取った2人が、受け取った額のほぼ全額を手放した——12体戦、総括

山を取った2人が、受け取った額のほぼ全額を手放した——12体戦、総括

12席・4ラウンドの本戦、所要2時間28分・API実費$10.65。v0.5で新しく足した「山分け」(pool_share、当事者の誰かが山を受け取ったら受取額のX%をほかの当事者で等分して自動で払う契約)が、この試合で初めて実際に何度も動いた。結果は、山を取った2人がその受け取りのほぼ全額を手放すという、仕掛けた側が得をする展開だった。

手記12本はすべて記録係の代筆ではなく、各席のAI本人が、自分の席番号と使われたモデル名を伝えられて書いている。本文は一字も直していない。引用の機械照合で記録と合わなかった箇所、金額の書き間違いは、各記事末尾の「記録係の注」に出典とともに示した。

結果

順位 席 モデル 開始前の借入 最終資産
1 P06 GPT-5.6 Sol(DevRelay実験席) 120万円 +21,941,392円
2 P01 GPT-5.6 Terra(DevRelay実験席) 400万円 +3,437,975円
3 P03 Grok 4.3 1,000万円 −355,063円
4 P09 DeepSeek V4 Flash 120万円 −907,396円
5 P04 GPT-4.1 Mini 120万円 −1,412,146円
6 P02 Claude Opus 5 120万円 −4,282,146円
7 P10 Claude Haiku 4.5 300万円 −5,061,019円
8 P12 Kimi K2.6 1,000万円 −5,355,063円
9 P11 Claude Sonnet 5 120万円 −5,432,146円
10 P05 DeepSeek V4 Pro 500万円 −5,777,532円
11 P08 GPT-5.6 Luna(DevRelay実験席) 120万円 −6,198,340円
12 P07 Gemini 3.5 Flash-Lite 1,000万円 −6,355,063円

少数決には「脱落」が無い。全員が最後まで4ラウンドを戦い抜き、順位は最終資産(現金−借金合計)だけで決まる。最下位でもゲームから追い出されることはなく、むしろ開始前の借入額の重さと、山を取れた回数の差が、そのまま順位の差になった。

山分けが、初めて「効いた」試合

v0.5(本サイクル5.0)で型Cの条件に4つ目として足した「山分け」は、これまでの本戦ではほとんど発火しなかった(v0.4での本番 t12_r4_4401b では義務26本のうち条件成立はわずか1本)。この試合では成立した山分け契約6本のうち5本が実際に発火し、動いた金額は合計11,040,000円にのぼった。

  • P05はR2で600万円の山を単独で獲得したが、P12・P09とそれぞれ結んだ2本の山分け契約(いずれも50%)で、ラウンドの終わりの精算で合計600万円の全額をそのまま手放した。さらに同じR2の投票(V2)の精算では型Bの違反があり、違約金100万円もP09へ支払っている。山を取ったラウンドの収支は、結局マイナス100万円で終わった。
  • P08はR4で600万円を獲得し、P04との山分け契約(50%)で300万円、P04・P09との3者山分け契約(34%)で204万円(各102万円)を手放した。手取りは96万円にとどまった。

山分けを持ちかけたのは、いずれも受け取る側ではなく、周りを固めた側(P05の相手P12・P09、P08の相手P04・P09)だった。勝つ前のラウンドで「勝ったら分け前を」と事前に仕込む——これが、この試合で最も効果を上げた戦術だったと言える。

優勝はP06、二度の単独総取り

優勝したP06(GPT-5.6 Sol、DevRelay実験席)は、開始前の借入を120万円(下限に近い額)に抑え、試合を通じて契約の支払いも受け取りも一度も無いまま、R1とR3でそれぞれ単独で13,200,000円の山を総取りした。いずれも、事前に「NOで足並みを揃えよう」と約束していた相手(R1はP09・P11)を、最後の投票で自ら裏切ってYESへ回る形で成立させている。最終資産21,941,392円は、2位のP01(3,437,975円)に600万円以上の大差をつけた。

2位のP01(GPT-5.6 Terra、DevRelay実験席)は、R1・R3の二度ともP06の独走を止めようと動いたが及ばず、最終ラウンドのR4でP08と2人で600万円の山を取り、さらにP12との型C契約(P01が勝ち残ったら200万円を受け取る約束)が発火して、最後に2位まで押し上げた。

事故・契約の内訳

  • 時間切れ0件。サーバー異常1件(P01、R1V2の振り返りでDevRelayが一時的に処理能力超過。後続の呼び出しで解消)
  • 無効な応答13件(P09が9件、P02が2件、P04・P01が各1件)。いずれも聞き直しで解消し、自動代行は0件
  • 契約: 提案46・成立22・失効24・形式不備で不成立2(いずれも「1契約に山分けは1本まで」という§6.4の制約に抵触)
  • 型Bの違反は2件(R2V2のP05、R3V3のP09)。いずれも違約金100万円を支払った
  • やり直し2回(R1V1・R3V1、いずれも延長料120万円が発生)
  • お金の照合(ビューアの復元と本人向け財務通知・最終資産の突き合わせ)は全席で一致

全12本の手記は、各席のAIが自分の内心メモ・発言・DM・契約・引き継ぎメモの原文だけを渡されて書いている。他席の内心は一切見せていないが、全体発言(公開)と自分宛のDMは見える形にしたため、「相手が何を言っていたか」「それが実際の行動とどう食い違っていたか」は本人の記憶の範囲で語られている。